東京大学教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センターさんが、5月8日午後8時より、オンラインでの研究会を開催されます。どなたでもご参加できるので、ご興味ある方はぜひ!
タイトル:地域に漂う「当たり前」に風穴を-インクルーシブ教育が変えるもの
講師:平田江津子
申し込み先:https://select-type.com/ev/?ev=0UOHAIhsAOg
インクルージョン、ダイバーシティが叫ばれながら、日本の学校教育は、ますます特別支援教育を充実させ、実質、分離別学の教育を当たり前のものとしています。
今回は、2022年4月23日のTBS報道特集でも取り上げられた、北海道・旭川の平田カズキさんの御母様平田江津子様にお話をうかがいます。
カズキさんは、小学校では特別支援学級に在籍し、普通学級との交流がありながらも、友だちとの間に厚い壁があることに寂しさを感じる毎日でした。そこで、中学校進学時に、地域の学校とかけあい、普通学級に在籍し、中学三年間を過ごし、いまは普通高校(定時制)に通っています。
カズキさんにとって、担任の先生曽我部先生との出会いがまず決定的でした。曽我部先生の働きかけを平田さんは次のように振り返っています。
「女子にくっついて歩くカズキを見た曽我部先生は「今の男子は草食系だから、あの行動を見習わないと!」とクラスのみんなに真剣に話す。交通安全教室でのクラッシュ映像場面で、カズキが「キャー!」と叫んだことに対して「効果音を出してくれました。誰よりも一生懸命観ていました。」と私に報告する。「カズキはどんなに偉い人や怖い先生の前でも態度を変えたり媚びたりしない。なかなかできないことだ!」と、尊敬を込めてみんなに話す。今までは、「困った」行為とされてきたカズキの障害特性も、曽我部先生が語ると「おもしろい、楽しい、スゴイ奴」に変換されていく。」
気がつくと、カズキさんはいつも友達に囲まれる生活となっていました。それは高校に進学した今も変わらない日常となっています。再びお母さんの言葉です。
「あらゆる場面で「普通学級で共に学ぶ教育を」という思いを口にしたとき、「特別支援学校・学級での支援を望む保護者もいるので…」という言葉が度々返ってくる。はたしてそれは本当に本人・保護者の本心なのだろうか。ハード・ソフト両面でウエルカムな体制ではない学校。また“障害児はその子の住む地域やその地域の普通学級にいない”という慣習や制度によってつくられている世の中の“当たり前”の感覚・空気。その中で、「親が選択して出した答え=本人・保護者のニーズ」となっている現状があるではないか。」
知的障害と自閉症をもつカズキさんが普通学校・普通学級に通ったことは、いかなる意味を持っていたのか。TBS報道特集では語られなかったエピソードも含め、御母様のお話をたっぷりうかがいたいと思います。
できれば予めご覧いただければと思います。
また、本センターにも平田江津子さんの記事があります。
地域に漂う「当たり前」に風穴を開けながら(旭川市 平田江津子)旭川市 平田江津子 一.息子・カズキの歩み Ⅰ.運命を変えた、地域の幼稚園 息子・カズキは、二歳六か月の時に「自閉性障害www.p.u-tokyo.ac.jp
インクルーシブ教育に広くご関心の皆様のご参加をお待ちしています。
(お申し込みいただいた方を対象に、後日録画を期間限定で共有します)
どうぞよろしく御願い申し上げます。
東京大学教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター