「お母さんは必要なこと以外はなにもしなくていいんですよ。ここに座っていてくれさえすればいいのです。今日もお母さんのおかげで息子さんが学校に通えていることに私たちは感謝をしています。「お母さんがお願いします」の一声で、この世界の大半の問題は解決できるように出来ている」
この言葉に添えられた山本さんのセルフポートレートから始まる写真展。彼女の息子さんは重度心身障害児であり、医療的ケア児でもあり、特別支援学校に通いながら保護者が学校に付き添わなければなりませんでした。
「どんな子供でも当たり前に学校に通えるようになること。子供たちがどんな風に産まれてきても、私たち母親が自分たちの人生を諦めずに生きられる社会になることを願って、この作品を制作しました。」
会場で山本さんとお話をさせていただいて、昔に比べて制度は整ってきているとは言え、その制度からこぼれ落ちる症状の子たちもいることを知りました。
作品はユーモアや皮肉めいていて思わず笑ってしまうものや、先生が登場している写真もあるので、山本さんとの関係が良好であることも見て窺えます。
それでも学校という閉じられた社会の中で「これっておかしくないですか?」と訴えても分かり合えず、年に数回呼ばれるかどうかという付き添いに毎日通って、彼女は毎日どんなことを思っていたのだろう、と考えずにはいられませんでした。
11/28まで。青山のギャラリー ナダールにて。【山本美里写真展「透明人間-Invisible Mom-」開催のお知らせ】 | 林和美写真画廊林和美写真画廊では、山本美里写真展「透明人間-Invisible Mom-」を 開催します。 この展覧会は、2021年「めkazumi-h.net