映画「典子は、今」

SUPLIFE美保です。

私の小学校は、映画鑑賞の日が月に一度ありました。

ジブリを初めてみたのは学校で、ナウシカやラピュタをみたのは今思えば体育館でした。

あの当時は、冬は底冷えして寒いし、夏は暑いし、映画みたら感想文書かなきゃいけなくて、映画を楽しむというより、義務感の方が強かったのを覚えています。(せっかくの機会作ってくれたのに楽しめなくて先生たちごめん!)

私は義務感で嫌々見ていた映画鑑賞ではあったものの、ナウシカにハマった男の子が、漫画を全巻買い、学校にも肌身離さず持ち、遠足のバスの中では「風の谷のナウシカ」を熱唱していたのを思い出しました。なんだか懐かしいな。

そしてふと思い出した映画があります。

「典子は、今」という映画です。

調べたら、YouTubeに映画がありました!お時間ある方はぜひご覧下さい。

この映画、実在のサリドマイド病患者・辻典子さんを描いたものです。ご本人が出演しています。

サリドマイドとはドイツの会社が開発した催眠鎮静薬です。

妊婦のつわり症状改善を目的に使用されていましたが、先天異常「サリドマイド胎芽症」を発症したり死亡する赤ちゃんがあらわれたため、発売が中止されたそうです。

典子さんは、両腕がない状態で出生し、右目の視力もほとんどない状態で生まれてきました。

この映画、子どもの頃に見た私は感動したのを思い出しました。

子どもの頃だったので、両腕がない、とかそういう障がいの部分や時代の背景より「足でなんでもできるなんて!なんてすごいんだ!」と感動したのです。感想文を書く前に、自分でも足を使って髪をとかしてみようとしたり、鉛筆を持って字を書いてみようと試みました。できない自分と比較して、「典子はすごい!」と子どもの頃の私の胸の中はときめいたのを覚えています。

大人になった今知ったことは、この映画が上映された時差別や批判が凄かったことを知って驚きました。
そんな中で生きていくのは、どれほど辛かっただろう。と思うのですが、典子さんはたくましく生きていきます。熊本市役所に入庁し、日本のサリドマイド被害者として初めての公務員にもなり、その後結婚され2人のお子さんを産み、育て、その後、講演や文筆活動等をされていたそうです。

典子さんの講演活動は2014年に終演していますが、その終演の記録の中に

「講演で全国各地を廻るうち、映画出演時に感じた、珍しいものを見るような偏見のまなざしや、差別的な言葉は少なくなってきているように思えました。」

とあり、どれほどの思いで活動したのか胸の奥がギュッとなりつつも、なんだか報われたような、そんな気持ちを共有させてもらった気がしました。

これまでのたくさんの方の活動により、障がいのある子を育てる私たち家族は今比較的安心して、そして見守っていただきながら暮らせるのだと感じます。

そして、子どもの頃に自分が感じたこと。

偏見とか差別なんてみじんもなく、ただただ足を器用に使う典子さんを尊敬していたあの感覚は、多分子どもだからこその感覚なのかもしれません。そしてその感覚は大人になった今も残り、昔尊敬していた懐かしい友に会うように、典子さんの「今」を知りたくなったのでした。

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